日別アーカイブ: 2014年4月10日

【映画】『炎のランナー』

タイトルから『ロッキー』みたいな映画を想像していた……
原題は『 Chariots of Fire』、炎の戦車という意味。
これはラストで聖歌隊が歌うウィリアム・ブレイク『エルサレム』の歌詞「Bring me my chariot of fire!(火の戦車を与えてくれ!)」から由来。
この「Bring me my chariot of fire!(火の戦車を与えてくれ!)」は、自由な精神活動のため権威や権力に屈しないというの決意表明で、聖書『列王記』で預言者エリヤが火の戦車に乗ることから引用されている。
そんなわけで邦題は微妙にズレているから、僕が勘違いするのも無理はない。

【本】『ケン1探偵長 (全2)』手塚治虫

『透明人間』が一番映画的で面白かった。その他の話は全体的にコマ割りが細かくて読み進むのに苦労する。
途中、唐突にコマが大きくなっているページが続く。単行本化に合わせて修正したものと思われるが、話の整合性そのものより、線が太くなったり細くなったり切り抜いた修正部分のズレが目立ったり絵柄が変わったり、修正したことで目立つ絵のアラが気になって仕方がない。

【本】『おれは猿飛だ!(全2)』手塚治虫

あとがきより、連載当時すでに忍術と妖術をごっちゃにした忍者モノは(連載が)「終わってホッとするほど」「アナクロニズム(時代錯誤)のはなはだしいもの」だったということだが、よほど不本意だったのか作品発表から二〇年後の全集刊行の際に流行りを取り入れて描き直し、「奥の手ジョーズの術!」「南蛮秘術エイリアン!」「忍法スターウォーズ!」と登場人物に叫ばせている。
それがかえって「アナクロニズム(時代錯誤)のはなはだしいもの」を際立たせていると僕が思ったこの全集版が出てからさらに三〇年後のいまの話。

【本】『ザ・クレーター(1)』手塚治虫

第五話「生けにえ」はアンブローズ・ビアス「アウルクリーク橋のできごと」から着想を得たものだと思われる。
処刑される寸前の男が川に飛び込み息つく暇もない逃走劇の末、愛する妻のもとに辿り着いて抱擁する。しかしそれはアウルクリーク橋の横で今まさに処刑された男が一瞬の間に見た夢であった……というもの。
手塚氏の「生けにえ」は舞台を現代に換骨奪胎したうえ、古代アメリカというエキゾチックなパウダーをふりかけている。

【本】『 ザ・クレーター(3)』手塚治虫

ラスト「クレーターの男」が印象深い。
月にロマンが残っていた時代だったせいか手塚氏の漫画には比較的月を舞台にしたものが多い。月から仰ぎみる地球のイメージはレイ・ブラッドベリ『火星年代記』からの着想だろうか。無常感から光瀬龍氏の宇宙ものを思い浮かべたりもする。