原作【本】『泰平ヨンの未来学会議』スタニスワフ・レムを読んでから満を持して鑑賞。
前半のCG俳優プロジェクトと後半の『泰平ヨン……』原作パートの親和性が悪い。
『泰平ヨン』原作みたいなイメージを作りたくて前半パートを作ったのか、前半パートを作っているうちに『泰平ヨン』原作のイメージを混ぜたくなったのかわからないが、前半と後半は別々の物語だと思う。
『泰平ヨン……』原作パートに入るとそれまで詳細にメモしながら映画を観ていたのに、後半アニメになると途端に睡魔が襲い、夢とアニメ映像の世界を行き来する。
前半は主人公とそれにまつわる物語、後半は未来学会議に関するアバターを主体にした話。
そもそもリアルなCGを作るために詳細な撮影をする、そのために可笑しくも悲しい話をマネージャーが主人公に話す部分が前半のピークなのに、後半のアニメ過ぎる絵は不自然。
写真と見まごうリアルなCGレベルで統一された世界であるべき、ならば前半なんのために主人公をスキャン撮影したのか。
主人公がもともとアニメ映画に出ていたりそんなアニメの話が前半で出てきたら、まだ話はわかるけれども。
前半のまま突っ切っていったほうが面白かったのではないか。
『泰平ヨン……』と違う方向でじゅうぶん以上に見応えのある物語だったのに。
クライマックスのアニメから現実へ戻ってくるギャップの効果を狙ったのかもしれないが、薬を飲んで『二〇〇一年世界の旅』のような世界から『マッドマックス』のような頽廃SF世界の世界に変化したってじゅうぶんだ。
結局ラストは『泰平ヨン』原作とは直接関係のない前半のエピソードへつながっていくわけだし。
前作の『戦場でワルツを』にしても監督の「こういうことがやりたかった!」という気持ちはビンビンに伝わってくるが、僕の好みではないようで、手法と内容の親和性が悪いように思える。
